written by Ryohei Endo

【奥州】黒石寺蘇民祭の会場でもある「黒石寺」とは?

奥州 岩手Blog 歴史 岩手 観光スポット 岩手

おばんですryoです!

岩手県奥州市水沢には天台宗の古刹として多くの方に信仰されるお寺があります。

今日は「黒石寺」を紹介します。長い歴史を持ち、毎年旧暦正月7日夜半から8日早暁にかけて「黒石寺蘇民祭」が開催されることでも有名です!

黒石寺とは?

黒石寺とは?

岩手県奥州市水沢にある「黒石寺」は、天平元年(729)に行基により開かれました。当初は「東光山薬師寺」と称されていましたが、蝦夷征伐の際に戦火にあい寺は焼失してしまいます。

大同2年(807)飛騨の工匠が薬師堂を再建、そして嘉祥2年(849)に慈覚大師により復興され「妙見山黒石寺」と改名されました。その後も度重なる火災にあい、現在の本堂と庫裏は明治17年(1884)に再建されたものです。

本尊は国指定重要文化財の「薬師如来坐像」で、胎内に貞観4年(862)の造像銘があり、古代東北の仏教信仰を伝える貴重な作例でもあります。

天台宗の古刹として多くの方に信仰され、毎年旧暦正月7日夜半から8日早暁にかけて行われる「黒石寺蘇民祭」が開催されることでも知られています。

黒石寺蘇民祭とは?

黒石寺蘇民祭とは?

黒石寺HPより

蘇民祭とは岩手県を中心に行われている裸祭りです。蘇民祭の由来は「備後国風土記」に記される逸話とされ、その逸話を基に平安時代中期には蘇民祭の原型が出来上がっていたとされています。

岩手県内でも多くの場所で蘇民祭が行われるが、その中でも特に有名で歴史が深いとされるのが「黒石寺蘇民祭」です。1200年以上の歴史があるともされる黒石寺蘇民祭は、裸の男と炎のまつりであり、毎年旧暦正月7日夜半から8日早暁にかけて行われています。厳寒の中行われる裸祭りで、災厄消除・五穀豊穣を祈願している。

祭りは、「夏参り」、「柴燈木登り」、「別当登り」、「鬼子登り」、「蘇民袋争奪戦」の5つの行事からなります。中でも祭りのクライマックスでもある蘇民祭袋争奪戦では、疫病の護符である將軍木(かつのき)を削って六方形とした小間木がぎっしりと詰まった「蘇民袋」を奪い合い、会場は異様ともいえる熱気に包まれる。

古来からの祭の儀式を今に伝える貴重な民俗文化財であり、毎年全国各地から多くの参詣者が訪れます。また、参加登録を行うことで実際に黒石寺蘇民祭に参加することもできる。

黒石寺 基本情報

黒石寺 基本情報
住所 岩手県奥州市水沢黒石町山内17
アクセス 【車で】水沢IC~黒石寺 約25分 平泉前沢IC~黒石寺 約20分
公式HP 黒石寺HP
黒石寺まとめ
①天平元年(729)に行基により開かれた
②本尊は国指定重要文化財の「薬師如来坐像」で、胎内に貞観4年(862)の造像銘がある
③天台宗の古刹であり、毎年「黒石寺蘇民祭」が行われることでも知られている