written by Ryohei Endo

【住田】松日橋とは? 清らかな気仙川にかかる貴重な文化遺産「流れ橋」!

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おばんですryoです!

昔の人の経験の蓄積によって生まれた優れた知識や技術、いわゆる先人の知恵は現在においても学べることや役立つことがたくさんありますね。

今日そんな先人の方の知恵や技術が活かされた少し変わった橋を紹介します。下有住地区にある「松日橋」は、洪水になると橋全体が流され損傷を受けないような造りになっている橋です!

松日橋とは?

松日橋とは?

住田町中心部から下有住地区に車を走られせると、気仙川に架かる少し変わった橋の姿を見ることができます。それが「松日橋」です!

松日橋は中山と対岸の松日を繋ぐ役割をになっています。元禄11年(1698)制作の元禄絵図では松日側に街道と集落、中山側に水田が記載されていることから、集落と水田の往来のためにその当時には既に橋はあったと考えられている。

そんな松日橋ですが、実は普通の橋とは少し違った特徴があるんです。この橋は「流れ橋」であり、洪水の時に橋全体が流され、損傷を受けないような造りになっています。橋の部材はワイヤーロープや針金で繋がれており、両岸からは流失しないようにも工夫が施されている。

そんな特殊な橋の造りで特に重要な役割を持っているのが橋脚です。この地域では「ザマザ」と呼ばれ、クルミやクリの木の太い枝が二股に分かれた部分を使い、微妙に角度をつけて組み合わされ、橋板を乗せて川に設置されます。橋板の重みとザマザの微妙な角度にかかる水圧で安定し、普段の流れでは流されません。洪水時になり橋板まで流れが及ぶと橋板が浮き、ザマザは流れに逆らわず足をはらわれるように倒れることで、橋全体が流され衝撃を正面から受け止めずに受け流すかたちになります。

清らかな気仙川にかかる貴重な文化遺産「流れ橋」!

清らかな気仙川にかかる貴重な文化遺産「流れ橋」!

何度かこの道を通り面白い橋があるなぁーと気になっていた流れ橋である「松日橋」実際に渡ってみると造りはしっかりしており、揺れもほとんどなく安心して渡ることができます。これがザマザの組み合わせと橋板の重さ、そして水圧の力を上手く利用して造られていると考えると驚きです。

松日橋は洪水になり水の衝撃を正面から受けて壊れてしまうより、橋全体を流してしまい損傷を減らして再建しやすくする、先人達の知恵と工夫が活かされている橋でもあります。気仙川流域で、古い形で残っている一本橋はこの松日橋だけです。現在も橋としての機能を維持していることはもちろん、歴史や文化的にも価値をもつ貴重な資産でもありますね。

橋が架かる気仙川は透明度も高く岩手を代表する清流であり、あたりには田園風景が広がり、両側に山々の自然がある。松日橋に佇みながら、そんな自然の織りなす景色や音を楽しみ、リラックスした時間を過ごせます。夜には星空も綺麗に見えそうです。

ぜひ興味がある方は松日橋を訪れてみてはいかがですか? 付近には「葉山めがね橋」、「滝観洞」、「気仙大滝」などの名所ありますよ!

松日橋 基本情報

住所 岩手県気仙郡住田町下有住字高瀬
アクセス 【車で】住田町役場~松日橋 約10分 陸前高田~松日橋 約30分