#1 箱根を目指すも燃え尽き症候群に。一念発起し向かったフィリピンをきっかけに地元岩手を発信したいと奮闘するフォトグラファー。

今回取材させていただいた方は遠藤凌平さん。

岩手県一関市室根町の出身で、現在はフォトグラファーとしてだけでなく、
隣町千厩の酒のくら交流施設で地域のサポーターとしても活動しています。
写真撮影だけではなく、写真を必要に応じて活用するところまで支援し
撮って終わりにはしない仕事を心がけています。
千厩食べ歩きマップの制作や夜市のポスター写真などを撮影している凌平さんですが高校では駅伝一筋。
大学では箱根駅伝出場を目指し部活動に没頭する日々を送っていました。
大学卒業後は大手飲料メーカーに就職。
営業として働くも、学生時代に目指していた箱根駅伝出場という目標を失い
仕事でも目標のない毎日を過ごしていたといいます。
自らを人生の目標がないと生きていけないタイプと語る凌平さん。
「目標がリセットされた状態、燃え尽き症候群だった」
どこか物足りなさを感じながら過ごしていたある時、同級生の死に直面。
「明日は普通に来るわけではないんだ。このままでいいのか。人生について考え直さなきゃいけない」
やりたいことをやってみようと、恩師の助言もあり、外の世界を一度見てみることに。英語の勉強を始めた半年後、学びをより深めるためフィリピンに語学留学へいくことに決めました。
1か月間、語学学校へ住み込みで通いながら、現地の観光情報を発信するWEBメディアでのインターンをします。
帰国後、自身の変化について
「日本を中からしか見れていなかったけれど、外から見た日本の良さに気づいた」
一方で、フィリピンの人々の楽観的な国民性にも惹かれたと言います。
「日本とフィリピンの文化が混ざったら面白そう」
いずれは相互交流会をしたいと語ります。再び、フィリピンへの渡航を考えるもコロナ禍の到来により断念。
先のことを考えていた矢先、フィリピン生活の中で自分や出身地について聞かれた際に
うまく答えられなかったことを思い出し、地元を知ろうと岩手県内を巡り自ら取材、撮影、記事の執筆を行い
自作したWEBサイトで情報発信を行なっていたといいます。
地元に戻り各地を巡ったのち、開拓途中であることが地域の魅力のポテンシャルだと気づきます。
「地域の隠れた魅力を見つけてもらえた時の化学反応が見てみたい」
都会のお金をかけて整備された魅力とは違う面白さだと遼平さんは語ります。
「イベントがあることや高校・専門学校があるのは千厩の魅力で強み。学生たちがやりたいことを大人が全力でバックアップする場があってもいいのでは」
最後に千厩でやりたいことを伺ってみました。
「今あるものの中で、残していかなくちゃいけないものを写真で残していきたい。いろんなものが無くなっていく時代、無くなってしまうのはしょうがないけれど、残して消えてしまうのと、残さずに消えてしまうでは全然違う。残さずに消えてしまえば復活させようとしても難しい」
まずは自分を認めてあげることを大切に心がけているという凌平さん。
自信がないことで、人に認められることばかりを気にして、嫌われることを恐れ、何もできず言えなかった経験がありました。
「人を攻撃したり、蹴落とすことよりも、まずは自分が幸せになる方法を見つける方が良い。自分の気持ちに正直にいたい」
”人生の幸福度は今の方が高い”
と凌平さんは話します。
今後もフォトグラファー、そして地域のサポーターとして外と中の橋渡しをする活動を続けてていきたいと語ります。