written by Ryohei Endo

【陸前高田】気仙大工左官伝承館とは? 気仙大工左官の技術を後世に伝える!

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おばんですryoです!

岩手県陸前高田市は、高い技術力を誇り日本四大名工にも数えられる「気仙大工」の発祥の地されています。

今日は、そんな気仙大工の建築技法を後世に伝えるために建設された「気仙大工左官伝承館」を紹介します。

気仙大工左官伝承館とは?

気仙大工左官伝承館とは?

陸前高田市小友町が発祥の地といわれる気仙地方の大工集団「気仙大工」その足跡は江戸時代までさかのぼり、南行といって出稼ぎを中心とした大工集団がつくられ、次第に独自の技能集団が形成されました。民家はもちろん、神社仏閣、建具や彫刻などの細工に至るまで幅広い技量を持ち、全国的にも高い技量力を誇り日本四大名工にも数えられます。

その気仙大工の優れた建築技法を後世に伝えるために建設されたのが「気仙大工左官伝承館」です。明治初期の気仙地方の民家を想定し、当時の建築様式により、気仙杉など地元の材料のみで建築されました。

気仙大工の高い技量や思いを見ることができるのはもちろん、当時の人々の生活を感じることができます。

気仙大工左官の技術を後世に伝える!

気仙大工左官の技術を後世に伝える!

気仙大工左官伝承館では、気仙大工の高い技量や建物に込められた思いを感じることができます。

例えばこの欄間、中央部分の細工は亀を表し長寿や子孫繁栄への願いが込められ、上下左右にある細工は家系図、四隅にある隙間はある動物との関係を表しています。その動物とはネズミです。人とネズミの上手な共存への願いを表しています。

欄間

続いては通路と通路の繋ぎ部分。この隅の部分には大工の方の思いが込められているそうです。四角に区切られたこの部分、木の継ぎ方をよく見るとある感じに見えませんか?

通路

木と木が重なるように継がれており、これは「人」、「入」を表します。「人が入る」伝統的な建物は人が住み、手入れを続ければ何百年前も住むことができるほど丈夫だと言われます。しかし、人が入らないとその能力を活かせずダメになってしまう。ただ建物を建ててもダメ、人が入ることによってはじめて家が完成すると気仙大工の方は感じていたのかもしれません。

そして、こちらの細工。写真だと分かりにくいですが、見る角度によって様々な形が見えてきます。細部にまで刻まれる高い技術、ぜひ実際にご覧ください。

細工

この他にも様々な技術や細工をみることができます。お庭も綺麗に整備され、建物の中から見れる景色はまるで絵画のようにも感じました。

庭

また、庭では「3.11希望の灯り」も見ることがでます。3.11希望の灯りは、阪神大震災を機に神戸につくられた「1.17希望の灯り」から分灯されたガス灯です。天気が良ければ高田の海も一緒に見ることができます。

3.11希望の灯り

気仙大工左官伝承館 基本情報

気仙大工左官伝承館 基本情報
住所 岩手県陸前高田市小友町字茗荷1-237
利用時間 9:00~16:00
休館日 水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入場料 無料
アクセス 【車で】一関IC~気仙大工左官伝承館 約90分
気仙大工左官伝承館まとめ
①陸前高田は、日本四大名工にも数えられる「気仙大工」の発祥の地
②気仙大工の優れた建築技法を後世に伝えるために建設された
③気仙大工の高い技量や建物に込められた思いを感じ、当時の人々の生活も感じることができる