written by Ryohei Endo

「高田松原津波復興記念公園」とは? 東日本大震災の事実を後世に伝え、陸前高田の魅力を発信する場所!

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おばんですryoです!

かつて岩手県陸前高田市には、海岸沿いに「高田松原」と呼ばれる70,000本の美しい松林や海水浴場として賑わう白い砂浜がありました。自分も合宿などでとてもお世話になった場所です。

しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により、その松林と砂浜はほぼ消失、陸前高田市にも甚大な被害をもたらしました。震災後初めて高田松原を訪れた時、自分が知っているものと異なる光景が広がっていて衝撃を受けたことは忘れられません。

現在その場所は、「高田松原津波復興記念公園」として整備が進められているところです。

今日は、東日本大震災による犠牲者への追悼、鎮魂への願い、震災の記録を後世へと伝える「高田松原津波復興記念公園」を紹介します。

高田松原津波復興記念公園とは?

高田松原津波復興記念公園とは?

岩手県陸前高田市の海岸には、約350年前から植林された合計70,000本の松林「高田松原」があり、その美しい松林の姿から景勝地として親しまれ、同時に防潮林の役割も担っていました。また、その松林を抜けた先には白砂の海岸が広がり、夏場には海水浴場として多くの方が訪れた場所です。

しかし、岩手県のみならず多くの場所に甚大な被害をもたらした東日本大震災による津波で、美しい高田松原と砂浜のほとんどが消失し、陸前高田の景観は大きく変えられてしまいました。

現在その場所に、2021年3月完成を目指し整備が進められているのが「高田松原津波復興記念公園」です。

東日本大震災により発生した津波による犠牲者の追悼と鎮魂への願いや、忘れてはいけない震災の記録と教訓を後世に伝えるとともに、国内外に向け復興に対する強い意志を発信するために、岩手、宮城、福島の3県に一つずつ復興記念公園が整備されることとなり、岩手県は陸前高田市が選ばれました。

記念公園内には、「奇跡の一本松」なとの震災遺構が残され、東日本大震災津波伝承館である「いわてTSUNAMIメモリアル」や陸前高田の特産品などを取り揃えた「道の駅高田松原」が設置されています。

高田松原津波復興記念公園は、犠牲者の方の追悼、鎮魂への願い、災害の多い日本において忘れてはいけない教訓を後世に残すとともに、新しい陸前高田を発信する復興記念公園です。

高田松原津波復興記念公園基本情報

高田松原津波復興記念公園基本情報

高田松原津波復興記念公園

住所 〒029-2204 岩手県陸前高田市気仙町土手影 地内
アクセス 【車で】一関IC ~ 高田松原津波復興記念公園 (途中三陸自動車道利用 陸前高田長部ICで降りる)約1時間25分
【電車で】一ノ関駅 ~ 気仙沼駅(JR大船渡線 約1時間20分) ~ 奇跡の一本松駅(JR大船渡線BRT 約30分)

道の駅高田松原

営業時間 物販・飲食等 9:00 ~ 18:00 駐車場・トイレ 24時間利用可能
定休日 年中無休(施設内一部店舗を除く)

いわてTSUNAMIメモリアル

営業時間 9:00 ~ 17:00(最終入館時間16:30)
休館日 12月29日 ~ 1月3日、 施設メンテナンス日(概ね年4日程度)

コロナウィルスの影響で5月24日まで高田松原津波復興記念公園は休業中です。5月25日より営業再開になりますが、利用される際は感染症予防への配慮お願いいたします。

高田松原津波復興記念公園にはどんな施設があるの?

2021年3月の完成を目指す高田松原津波復興記念公園ですが、現在も施設が利用可能です。高田松原津波復興記念公園にどんな施設があるのか紹介します。

道の駅高田松原

自然豊かな陸前高田の水産物や農産物、三陸地方の特産品、それらを使用した加工品などが取り揃えられている「道の駅高田松原」。

中でも日本で1番高値で取引されると言われる「広田の牡蠣」や帆立、わかめなど世界三大漁場である三陸沖で採れた海産物は絶品です。

お買い物はもちろん、陸前高田の幸を使った料理が楽しめる「まつばら食堂」や「たかたのごはん」ではその場で陸前高田の味を楽しめます。また、震災支援から縁が深まった鳥取県の「すなば珈琲」が圏外に初出店されており、ドリンクやスイーツもぜひ味わってみて下さい。

道の駅高田松原は、陸前高田や三陸の魅力がたっぷりと詰まった場所です。

いわてTSUNAMIメモリアル

いわてTSUNAMIメモリアル

いわてTSUNAMIメモリアル」では、東日本大震災の事実と教訓を世界中の人々に共有し、自然災害に強い社会を一緒に実現することを目指した東日本大震災津波伝承館です。

館内には被災した実際の物、被災現場をとらえた写真などが展示され、東日本大震災で発生した津波の事実を見つめることができます。また、そこから学んだ次の災害から命を守るための教訓が共有されています。

決して忘れてはいけない東日本大震災の津波の事実、教訓を後世に伝える大切な場所です。

奇跡の一本松

奇跡の一本松

津波により高田松原にあった70,000本の松林はほとんどが流されてしまいました。その中で唯一津波から耐え残ったのが「奇跡の一本松」です。

海水による深刻なダメージを受け、平成24年に枯死が確認されましたが、震災からの復興を象徴するモニュメントとして保存作業が行われ元あった場所に残されています。

堂々とそびえ立つ一本松の姿は、力強く人々に勇気を与えてくれる存在です。

高田松原津波復興記念公園には、奇跡の一本松の他にも旧道の駅高田松原である「タピック45」、「下宿定住促進住宅」、「気仙中学校」が災害遺構として残されています。震災の恐ろしさを伝える大切な遺構です。

海を望む場

海を望む場

「海を望む場」は陸前高田の海を一望することができ、美しい海の姿を見れる場所です。

海は時には人々に牙を向く恐ろしい面を持っています。しかし、普段は海水浴を楽しめたり、海の幸を私たちに恵んでくれたりと素晴らしい場所です。

その恐ろしい面も理解しながら、海と上手に付き合っていく必要があると感じています。

高田松原津波復興記念公園は、忘れてはいけない東日本大震災の事実を後世に伝える場所です。また、陸前高田の魅力を楽しめる場所でもあります。

陸前高田に訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみて下さい。