written by Ryohei Endo

八つ墓村のロケ地にもなった「滝観洞」ってどんな場所?洞内には神秘的な光景が広がっている!

住田町 岩手Blog 観光スポット 岩手

おばんですryoです。

想像もつかないような長い年月をかけて造り出される自然の神秘「鍾乳洞」。一歩足を踏み入れれば、地表とは違った光景が広がります。まるで冒険感覚を味わいながら、神秘的な光景を見ることができる場所です。

岩手にもそれぞれ違う特徴を持つ鍾乳洞が多くあります。その中で今日紹介するのは住田町にある「滝観洞(ろうかんどう)」です。

鍾乳洞を進んだ先には、洞内にある滝として日本有数の落差29mを誇る「天の岩戸の滝」があり、息を飲むような光景が広がっています。また滝観洞は、松竹映画「八つ墓村」のロケ地としても使われた場所です。

八つ墓村のロケ地にもなった「滝観洞」ってどんな場所?

八つ墓村のロケ地にもなった「滝観洞」ってどんな場所?

岩手県気仙郡住田町にある「滝観洞(ろうかんどう)」は、3億年前の石灰岩が地下水によって侵食されて形成した全長4,000m以上、高低差115mの鍾乳洞です。洞内880mが一般に公開され、鍾乳石や造形豊かな岩肌、地下水の流れなど自然が作り出した神秘的な光景を見ることができます。滝観洞の水は、岩手名水20選の一つに選ばれています

また、洞内を880m進んだ最奥部には周囲50m、高さ60mのドーム状の空間が広がり、洞内滝として日本有数の落差29mを誇る「天の岩戸の滝」の思わず息を飲むような迫力ある光景は圧巻です。

滝観洞は、松竹映画「八つ墓村」のロケ地として使用されました。洞内には映画の撮影場所に看板が建てられており、映画の情景を連想することができます。

滝観洞基本情報

滝観洞基本情報
住所 岩手県気仙郡住田町上有住字土倉298-81
営業時間 8:30 ~ 16:30
定休日 年末年始(12/28 ~ 1/3)
✳︎11月 ~ 2月は土、日、祝日のみ営業(8:30 ~ 16:00)
入洞料 大人:1,100円 小中学生:500円 未就学児:無料
アクセス 【車で】花巻 ~ 滝観洞 約60分 【電車で】新花巻駅 ~ 上有住 (JR釜石線 約82分)

花巻JTCから延びる釜石自動車道が開通され、滝観洞へのアクセスが向上しました。滝観洞最寄りのインターチェンジは、滝観洞ICになります。

入洞時にヘルメット、ジャンパー、滑りにくい長靴を全員に貸し出しています。しかし、現在コロナウィルス感染症対策により、貸し出しはヘルメットのみです。洞内は滑りやすく、狭い場所もありますので歩きやすい靴、服装で行かれることをオススメします。

洞窟の奥に広がる神秘的な光景!「天の岩戸の滝」

洞内に神秘的な光景が広がる「滝観洞」の魅力をポイント毎に紹介していきたいと思います。

風恋橋

風恋橋

滝観洞入り口に架かる風恋橋、洞内の散策はこの場所からスタートします。風恋橋には「想いを胸に風恋橋を渡り天空から輝き舞う、滝の雫を見れたら願い事が叶う」という伝説が残されています。恋愛成就なのか、大切な人への想いなのか、ロマンチックな伝説が渡る人の願いを叶えてくれるかもしれませんよ。

洞窟内散策

滝観洞は、3億年前の石灰岩が地下水に浸食されて形成された鍾乳洞です。しゃがまないと通れないような低い場所や狭い場所があり、本当に冒険しているような感覚を味わうことができます。無料で貸し出されるヘルメットのありがたみが分かりますよ。

洞内には自然が作り出した神秘的な光景が広がります。

洞窟内散策 洞窟内散策 洞窟内散策

岩肌などに見られるボコボコは「洞穴サンゴ」と呼ばれる鍾乳石で、空気の流れる方向に成長します。

洞穴サンゴ

写真のように右側が棚のように削られた箇所は「ノッチ」と呼ばれ、洞窟の中の地下水が長い間同じところを流れることにより溶かされたり、削られたりして造られる自然の芸術です。

ノッチ

また、洞内の足下や壁にはかつて海底だったことを証明するウミユリなどの海洋生物の化石を見ることができます。ぜひ見つけてみて下さい。

八つ墓村ロケ地

八つ墓村ロケ地

松竹映画「八つ墓村」のロケ地に使われた滝観洞。洞内の撮影場所には看板が建てられており、映画のシーンを想像しながらの散策が可能です。

洞内で使われた場所は2ヶ所あり、八つ墓村が好きな人にはたまらないのではないでしょうか?

【洞窟観音】聖観音像

【洞窟観音】聖観音像

洞内には洞窟観音「聖観音」が祀られています。聖観音は、人々の現世の幸福を祈る観音様です。厄除や、開運などとても幅広いご利益があるとされています。

この観音様は洞内の安全を祈願して1970年に建立されたものです。洞内の散策する方の安全を見守って下さっています。

【瀬織津姫の滝】女滝

【瀬織津姫の滝】女滝

最深部少し手前にある小さめな「瀬織津姫の滝」は、天の岩戸の滝の夫婦滝と言われています。

この滝は穢れを祓い清める滝の女神「せおりつひめ様」が宿る滝です。この場所の水で、お守りにしたい石を洗い清め、奥にある天の岩戸の滝で祈ると願いが叶うとされています。

天の岩戸の滝

天の岩戸の滝

滝観洞のメインはなんといっても洞内滝として日本有数の落差29mを誇る「天の岩戸の滝」です。洞内を880m進んだ最奥部にあり、爽快な轟音と迫力ある水柱で思わず息を飲むような神秘的な光景が広がっています。少し歩くのが大変な洞内を進んできたからこそ、よりこの光景が美しく感じるのだと思います。

この滝を命名したのは、大正から昭和にかけて活躍した女流歌人「柳原白蓮」です。この場所を訪れた白蓮は「神代より かくしおきけむ 滝つ瀬の 世にあらわるる 時こそ来つれ」と詠われ、これは日本神話の天照大御神と瀬織津姫の伝説について、白蓮が想いを秘めた詩とも言われています。

滝観洞は、自然が造りだした神秘の光景を見ることができる場所です。最奥部にある「天の岩戸の滝」では、思わず息を飲むような素晴らしい光景が広がっています。

ぜひ滝観洞へ訪れてみて下さい。