written by Ryohei Endo

切り立った岩肌に建つ毘沙門堂!「達谷窟毘沙門堂」とは?

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おばんですryoです!

例年に比べ雨の多い岩手県、この時期で雪にならないのは珍しいですね。

雪が少なく過ごしやすい反面、春先など雪解け水が少なく水不足にならないことを願っています。

さて今日は、世界遺産平泉で知られる岩手県平泉町にある「達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう」を紹介したいと思います。

切り立った岩肌に建つ歴史ある毘沙門堂からは、神聖な雰囲気が漂っていました。

達谷窟毘沙門堂とは?

達谷窟毘沙門堂とは?

達谷窟毘沙門堂の歴史など紹介します。

およそ1200年前に惡路王・赤頭、高丸などの蝦夷(当時の東北地方に住んでいた人々の呼称)が達谷窟(たっこくのいわや)に砦を構え、良民を苦しめ女子供を掠めるなど乱暴な振る舞いをしていました。国府もこれを抑えることができなくなっていました。

そこで当時の天皇の桓武天皇は坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命し、蝦夷征伐を命じました。

惡路王等は3,000賊徒を率いて一時駿河国清見関(現静岡県静岡市清水区)まで進みますが、坂上田村麻呂が京を出たとの報せを聞くと達谷窟に引き返して守りを固めました。

延暦20年(801年)坂上田村麻呂は激戦の末達谷窟に籠る蝦夷を破り、惡路王の・赤頭、高丸の首をはねて、蝦夷を平定しました。

坂上田村麻呂は戦勝を納めたのは毘沙門天の加護があったからだと感じ、そのお礼に京都の清水寺の舞台造をまねて精舎を建て、108体の毘沙門天を祀り、国を鎮める祈願所としました。これが達谷窟毘沙門堂です。

「吾妻鏡」によると、源頼朝が奥州藤原氏を滅し鎌倉へ帰還する際に立ち寄ったとされています。

度重なる火災などによって消失していますが、伊達政宗などによりその都度再建されています。昭和36年に再建された現堂は、創建以来5代目になります。

毘沙門天は寅年の守り本尊であり、悪鬼を祓い、財宝、官位、知恵、寿命などの福を招き、様々な願いが叶うとされています。

達谷窟毘沙門堂の内陣の扉の奥には、慈覺大師が坂上田村麻呂を模して刻まれた秘佛が納められています。また御堂の床下は「生まれ変わっていく再生の場」、「先祖の霊魂があの世から帰りて集う場所」など聖なる場所とされ、現在では人の立ち入りが許されない禁足地とされています。

また境内は神域とされており、飲食、殺生、動植物の採取、犬や猫を伴っての参拝など固く禁じられており、厳格な空間となっています。

平泉はもとより、東北地方における仏教信仰の実態を理解する上でも欠くことのできない重要な遺跡として、史跡にも指定されています。

達谷窟毘沙門堂はどこにあるの?

そんな達谷窟毘沙門堂はどこにあるのか、基本情報をまとめてみました。

達谷窟毘沙門堂基本情報⬇️

住所 〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉字北澤16番地
拝観料 大人:400円 中高生:100円 小学生:無料
アクセス 「車で」○一関IC〜達谷窟毘沙門堂 約10分 ○平泉前沢IC〜達谷窟毘沙門堂 約15分
公式HP http://www.iwayabetto.com/mysite1/top.html

近くには厳美渓や世界遺産の平泉「中尊寺」、「毛越寺」もありますのでご一緒にご覧ください。

達谷窟毘沙門堂で参拝!

実際に達谷窟毘沙門堂に参拝に行ってきましたので紹介します。

実際に達谷窟毘沙門堂に参拝に行ってきましたので紹介します。

3つの鳥居をくぐり抜けると切り立った岩肌に建つ達谷窟毘沙門堂の姿が見えてきます。清水寺を模して作られたという毘沙門堂は、周りの静かな環境とも相まってどことなく神聖な雰囲気に包まれています。

達谷窟毘沙門堂

毘沙門堂に続く階段には二対の狛犬が立っています。狛犬に迎えられて階段を登っていくと入り口が見えてきました。堂内は撮影禁止でしたので写真はありませんが、神聖な空気に包まれていました。

狛犬 入り口

堂内では、最強の御札と称される「牛玉寳印(ごようほういん)」を買うこともできます。牛玉寳印は、元日から1月8日まで行われる「修正會」において、21カ座の加持祈祷を経てできあがる特製の護符です。とがったほうを上にして神棚や玄関などに貼れば、悪鬼邪神を払い福を招き様々なご利益が得られると伝えられています。

御堂での参拝を終えて境内の奥に進むと高さ約32mにもおよぶ岩壁に刻まれた磨崖仏を見ることができます。全国でも五指に入る大像で、「北限の磨崖仏」とされています。明治29年に胸から下が地震で崩落してしまい、現在は「岩面大佛」と呼ばれています。

岩面大佛

前九年後三年の役で亡くなった敵味方の霊を供養するために源義家が、馬上から彫りつけたといわれています。穏やかな顔をした大佛は、今も亡くなった方の冥福を祈っているようでした。

境内にある蝦蟆ヶ池の中島には「蝦蟆ヶ池辯天堂」があり、金運UPのパワースポットとなっています。蝦蟆ヶ池は神の池とされ、古くからここに棲むものは辯天様の使いであり殺生が禁じられています。その中でも蛇は最も大事にされています。

蝦蟆ヶ池辯天堂

この他に境内には、「金堂」、「姫待不動堂」、「鐘楼」など歴史ある建物が残されています。

達谷窟毘沙門堂には古くからの歴史が残り、様々なご利益のあるパワースポットでした。

ぜひ平泉にきた際は、中尊寺や毛越寺だけでなく「達谷窟毘沙門堂」にも訪れてみて下さい!